よこはま子ども国際平和プログラム
(実施日:2011年11月29日)
師走も迫る11月29日、横浜市の小中学生35名と保護者の方々が集まり、「第2回子ども実行委員会」が開催されました。横浜市政策局国際政策課と横浜市教育委員会、横浜に所在する国際機関、そしてNGOとの協働で実施した当該企画の報告をいたします。
「よこはま子どもピースメッセンジャー」の活動紹介
よこはま子ども国際平和プログラムでは、市内の小中学生を対象に平和を題材としたスピーチコンテストを毎年実施しています。また、ユニセフ(国連児童基金)に送る平和募金活動や、「よこはま子どもピースメッセージ」の作成を通じ、国際平和に向けた取組を展開しています。2011年は8月10日、11日の本選に出場した37名が「子ども実行委員」を、また中でも市長賞を受賞した4名が「よこはま子どもピースメッセンジャー」を、それぞれ市長より委嘱されました。
この日は、横浜国際協力センターに事務所がある国際機関等の職場訪問をした後、よこはま子どもピースメッセンジャーより、10月11日に実施されたユニセフ駐日事務所および日本ユニセフ協会の訪問体験報告がなされました。「世界に存在する様々な問題について、単なる知識を越え、写真などの媒体を通してより鮮明に目の当たりにすることにより、自分達の生活が当たり前ではないことを実感した」、「(発展途上国の人々が担ぐ)瓶(かめ)の重さに驚いた」、「自分さえ良ければいいとの考えを改めた」などの感想を述べるとともに、自分達の思いを行動に移していきたいとの決意が表明されました。
今年は、よこはま国際フェスタ2011のブースで子ども実行委員会の取組を紹介しており、活動の幅が広がっています。
FAOの活動紹介
次に、国連食糧農業機関(FAO)より、国際機関の取組について紹介がありました。最初に投げかけられた三つの数字(世界の穀物生産量23億トン、世界の飢餓人口9億2,500万人、日本の食料廃棄量1,900万トン)をもとに、世界の食料問題に関する簡単な導入部を経て、FAOの仕事について説明がありました。1. 食料・農林水産業に関する情報収集、分析、提供、2. 条約、協定、規格などの国際的枠組の制定、3. 中立的動議の場の提供、4. 開発援助の四本柱に大別されるFAOの事業は、世界の人々が飢餓から解放され、世界経済の発展に貢献することを目的としています。飢餓や栄養不良の撲滅だけでなく、食品規格や持続可能な食料生産を目指す行動規範づくりなど、私達の生活にも関わる仕事をしていることが紹介されました。
最後に子どもたちに伝えられたのは、今は国連機関やNGOだけでなく、民間企業や研究機関、農業団体や学生など、様々な人や団体がそれぞれの強みを活かし、世界の食料問題に携わっており、小中学生にもできることが沢山あるということです。既に活発な募金活動やポスター制作を通して平和活動に貢献している子ども実行委員の更なる飛躍が期待されます。
エンディング・ハンガー・ゲーム
続くエンディング・ハンガー・ゲームは、子どもたちが会議室の大きさに縮小された世界地図のシートに広がる12の国・地域に別れて座るところから始まりました。前のプレゼンテーションで少し勉強した、世界の飢餓人口や食料生産量に関する現状について、自ら身体を動かして体感することにより、どうしたらより良い世界を構築することができるか、考えることが目的です。
ゲームを実施したのは、(特活)ハンガー・フリー・ワールド。人口や食料、お金など、世界の現状に応じた比率でおもちゃの食料やお金が配分され、加えて識字率や戦争、子どもの死亡率などについてのカードも渡されました。このゲームの目的は、それぞれの国が持つ食料を売ったり、戦争カードやお金を交換することにより、次のゴールを達成することです。
1.飢餓をなくす
2.戦争をなくす
3.子ども命を救う
4.すべての人に教育を
ゲームが始まるとともに、カード交換をすることで国と国との間での支援が可能な国連の前には、長い行列ができ、正確かつ公正な業務遂行を心がける国連の仕事が追いつかない様子が伺えました。積極的な話し合いや助け合いが進みましたが、問題の解決は簡単ではありません。
人手が足りなくてやりたい事が全部できなかった国、近くのお金を持っている国や地域のおかげで状況改善ができた国、既に裕福で平和な内政が達成できたので特に国際協力をしない国など、状況や対応は様々です。また、(戦争カードを一気に手放さなかった理由について)「戦争がいきなり全てなくなるのは何だか変」、「国連の迅速な対応は大事だな」などのコメントも聞こえてきました。
子ども実行委員・ピースメッセンジャーだけあって、皆平和に対する想いが強く、他の国や地域を助けようとする一方で、時間や人手、資金不足などの要因でなかなか思い通りにいかない現状を体感したようです。また、ゲームの中では積極的な助け合いを心がけたが、実際にはそれぞれの利害関係が複雑に絡み合い、問題解決はもっと難しいはず、との意見もありました。なかには、ゲームが予想以上に面白く、自分の学校でも紹介したいと嬉しい感想を述べてくれる子どももいました。
平和募金ポスター作成
最後に行ったのは、来年度の平和募金ポスターの原案作りです。予め用意してきたキャッチフレーズや絵を題材に、グループ毎に検討しました。「心にゆとりを」「(支援の)手をつなげよう」など、未来に向けられた願いが込められています。
今回の活動については、各校で子どもたちが展開する国際平和に向けた取り組みと併せ、報告書に掲載される予定です。また、子ども実行委員同士のつながりを大事に、永く国際協力に携わる人材が育つことが期待されます。
